日本でのＫポップブームを牽引（けんいん）してきた韓国のガールズグループ、ＫＡＲＡの元メンバーのジヨン（２０）が、知英（ジヨン）として日本で俳優業を始めた。今秋から連続ドラマに出演。語学力を生かして国際的に活動する「アジア人俳優」を目指す。
連続ドラマ「地獄先生ぬ～べ～」（日本テレビ系、毎週土曜夜）の撮影現場は、異例ずくめだった。知英は主人公に恋する雪女のゆきめ役。セリフは日本語で台本も他の出演者と同じ。通訳もおらず、演技指示も日本語だ。
「難しい漢字やイントネーションは教えてもらって。普通の会話とセリフは違うので、まだまだ難しいけど乗り越えたい」と笑顔で話す。
ドラマや映画で日本語に親しみ、今では映画館で普通に見られるという。日本では日本語で、韓国では韓国語で、英語圏では英語で。語学力を生かして、現地に溶け込んだ形での活動を目指す。「私は日本を含めたアジア人だから。アジア人としていろんな国でやっていきたい」
２００８年、１４歳でＫＡＲＡのメンバーに。１０年に日本進出、紅白歌合戦にも出場。アジア各国で人気を集めたが、今春、事務所との契約期間が満了し脱退した。「（ＫＡＲＡの活動は）言葉にならないぐらい幸せだった」
充電のためのロンドン留学が転機になった。「４カ月、自由な時間が持てたのは初めて。私って何の人になるんだろうと考えたんですね」。悩んだ末に、海外展開を目指す日本の芸能事務所、スウィートパワーに所属した。豊富な海外活動が、国の枠にとらわれない意識を育んだようだ。
歌とダンスで魅了してきたが、今は「演技にはまっちゃいました」。「アクションもラブコメもやりたい。演技とか言葉で認められたい」。２４日放送の日テレ系ドラマ「ヒガンバナ」では刑事を演じる。
